11. ISO ファストトラック

初期の JavaScript 標準化における最後のステップは、Ecma で作成された仕様を国際標準化機構 (ISO) に提出して ISO 規格として承認を受けることだった。ECMA-262 第 1 版は 1997 年 9 月に ISO/IEC のファストトラック (迅速承認) プロセスへ提出された。その後 Guy Steele はプロジェクトの編集者を退任し、IBM の Mike Cowlishaw が役職を受け継いだ。

ISO/IEC で行われた投票では、デンマーク、フランス、日本、オランダ、米国の国家標準化団体から 27 ページに渡るコメントが出された [TC39 1998e]。この文書には TC39 からの誤記の指摘 [TC39 1998b] も含まれている。コメントの多くは ECMA-262 を急いで作成する中で見過ごされた細かな編集上の問題を指摘するものだったが、Date オブジェクトの 2000 年への遷移のサポートや Unicode の言語への統合など、技術上の重要な問題についてもいくつか報告があった。

TC39 から意見を受け取った Mike Cowlishaw は報告されたコメントの対処を示した文書 (Disposition of Comments Report) [TC39 1998a] を執筆し、ISO/IEC の投票解決会合でこの文書のレビューと受理が行われた。1998 年 7 月にカメラレディの改訂された仕様が ISO/IEC に公開された。その後 Ecma の通常会員を対象とした郵便投票が行われ、改訂された仕様は ECMA-262 第 2 版として承認された [Cowlishaw 1998]。

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