6. 余談: 批判

JavaScript は開発された当初から厳しい批判の的になってきた。動的型付けの利用などの基礎的な設計判断に向けられた批判もあれば、型強制規則などの設計の詳細に向けられた批判もあった。JavaScript と HTML の統合の仕方に全く納得がいかないと批判した者もいるし、JavaScript がブラウザのセキュリティ脆弱性を暴露することを批判した者もいる [Fair 1998]。Robert Cailliau [Wikinews 2007] は JavaScript を「コンピューティングの歴史の中で最もひどいその場しのぎ」と呼び、「C より劣るプログラミング言語は一つしか知らない。それは Javascriptママ だ」と発言した。Bret Bos [2005] は W3C ワークショップで、JavaScript は「歴史上で最悪の発明」だと述べた。

多くのプログラミング初心者がブラウザで実行される JavaScript を通してプログラミングでよくある問題 (例えば浮動小数点数算術の誤差) に初めて直面したために、そういった問題が JavaScript に特有だと考えてしまうことが多かった。また経験を積んだプログラマの多くは JavaScript を似たプログラミング言語 (あるいは名前の似ている Java) と比較し、機能が足りないと感じた。JavaScript の奇妙な点をまとめた記事 [Cardy 2011] や wtfjs.com [Leroux 2010] といったページはウェブの定番となった。

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