I. 記号への恐怖心を克服する

記号への恐怖心は多くの高校生を微積分から遠ざけ、勉強を始める気さえ失わせている。しかし微積分で重要な二つの記号の意味を ──普段通りの言葉で── 説明すれば、その恐怖を完全に打ち払える。

その恐るべき記号は次の二つである:

\(\text{(1)}\) \(d\): これは「小さな...の部分」を意味する。

例えば \(dx\) は「小さな \(x\) の部分」を意味し、\(du\) は「小さな \(u\) の部分」を意味する。数学者は「...の小要素」という表現の方が行儀が良いと考えるが、どちらを使っても構わない。こういった「小さな...の部分」 (あるいは「...の小要素」) が無限に小さいとみなせることを後で見る。

\(\text{(2)}\) \(\displaystyle\int\): これは縦に伸ばした \(S\) であり、「...全部の和」と読む (ことができる)。

例えば \(\displaystyle\int dx\) は「小さな \(x\) の部分を全て集めた和」を意味し、\(\displaystyle\int dt\) は「小さな \(t\) の部分を全て集めた和」を意味する。数学者はこの記号を「...の積分」と呼ぶ。どんな馬鹿でも分かるように、もし \(x\) が \(dx\) と呼ばれる小さな部分がいくつも集まってできているなら、全ての \(dx\) を足し合わせた結果が全ての \(dx\) の和であり、それは \(x\) 全体に等しい。「積分」という言葉は単に「全部」を意味する。例えば一時間という時間の長さを考えているなら、一時間を秒と呼ばれる \(3600\) 個の小さな部分に分けることができる。その \(3600\) 個の小さな部分を全部足すと一時間となる (分け方は他にもある)。

今後この恐ろしい記号で始まる式が出てきたら、その式は「\(\displaystyle \int\) の後ろにある記号で表される小さな部分を全部足すという操作を (もし可能なら) 行え」という指示をあなたに出しているのだと理解しよう。

以上だ。