VII. 微分の反復

関数に対して微分の操作を複数回行ったときに何が起こるかを見よう。具体例として \(y = x^{5}\) を考えると、 \[ \begin{alignedat}{6} &{\footnotesize \text{一回微分した結果}} && = 5x^{4} && \\ &{\footnotesize \text{二回微分した結果}} && = 5 \times 4x^{3} && = 20x^{3} \\ &{\footnotesize \text{三回微分した結果}} && = 5 \times 4 \times 3x^{2} && = 60x^{2} \\ &{\footnotesize \text{四回微分した結果}} && = 5 \times 4 \times 3 \times 2x && = 120x \\ &{\footnotesize \text{五回微分した結果}} && = 5 \times 4 \times 3 \times 2 \times 1 && = 120 \\ &{\footnotesize \text{六回微分した結果}} && && = 0 \end{alignedat} \] となる。

一部の著者によって使われる前に説明した記法がここで非常に便利になる。\(x\) の関数を \(f(x)\) と表す記法である。\(f(\text{...})\) は「...の関数」を意味するが、具体的な形を表さない。つまり \(y = f(x)\) とあれば \(y\) が \(x\) の関数であることが分かるが、その関数は \(x\) かもしれないし、\(x^{2}\) かもしれない。あるいは \(ax^{n},\ \) \(\cos x\) といったもっと複雑な関数である可能性もある。

この記法では微分係数が \(f'(x)\) と表記され、\(\dfrac{dy}{dx}\) よりも簡単に微分係数を表せる。\(f'(x)\) を \(x\) に関する \(f\) の導関数 (derived function) と呼ぶ。

微分をさらにもう一度行うと二次導関数 (second derived function) が得られる。二次導関数は二次微分係数 (second differential coefficient) とも呼ばれ、\(f''(x)\) と表記される。三次以降も同様に定義される。

この議論を一般化しよう。\(y = f(x) = x^n\) とすれば \[ \begin{alignedat}{3} &{\footnotesize \text{一回微分した結果}}\quad & f'(x) &= nx^{n-1} \\ &{\footnotesize \text{二回微分した結果}}\quad & f''(x) &= n(n-1)x^{n-2} \\ &{\footnotesize \text{三回微分した結果}}\quad & f'''(x) &= n(n-1)(n-2)x^{n-3} \\ &{\footnotesize \text{四回微分した結果}}\quad & f''''(x) &= n(n-1)(n-2)(n-3)x^{n-4} \\ &&\cdots\cdots\cdots& \end{alignedat} \] となる。

微分の反復を表す方法は他にもある。元の関数を \[ y = f(x) \] とする。微分を一度行うと \[ \frac{dy}{dx} = f'(x) \] となり、微分を二度行うと \[ \frac{d\left(\dfrac{dy}{dx}\right)}{dx} = f''(x) \] となる。最後の二次微分係数を \(\dfrac{d^{2}y}{(dx)^{2}}\) あるいは \(\dfrac{d^{2}y}{dx^{2}}\) と表記する。\(\dfrac{d^{2}y}{dx^{2}}\) という表記が最もよく使われる。同様に三回微分した結果は \(\dfrac{d^{3}y}{dx^{3}} = f'''(x)\) と表記される。

では \(y = f(x) = 7x^{4} + 3.5x^{3} - \dfrac{1}{2}x^{2} + x - 2\) を複数回微分してみよう。 \[ \begin{aligned} \frac{dy}{dx} &= f'(x) = 28x^{3} + 10.5x^{2} - x + 1 \\ \frac{d^{2}y}{dx^{2}} &= f''(x) = 84x^{2} + 21x - 1 \\ \frac{d^{3}y}{dx^{3}} &= f'''(x) = 168x + 21 \\ \frac{d^{4}y}{dx^{4}} &= f''''(x) = 168 \\ \frac{d^{5}y}{dx^{5}} &= f'''''(x) = 0 \end{aligned} \] となる。同様に \(y = \phi(x) = 3x(x^{2} - 4)\) では \[ \begin{aligned} \phi'(x) &= \frac{dy}{dx} = 3\bigl[x \times 2x + (x^{2} - 4) \times 1\bigr] = 3(3x^{2} - 4) \\ \phi''(x) &= \frac{d^{2}y}{dx^{2}} = 3 \times 6x = 18x \\ \phi'''(x) &= \frac{d^{3}y}{dx^{3}} = 18 \\ \phi''''(x) &= \frac{d^{4}y}{dx^{4}} = 0 \end{aligned} \] と計算できる。

練習問題 IV

解答はここにある。

次の関数に対する \(\dfrac{dy}{dx}\) と \(\dfrac{d^{2}y}{dx^{2}}\) を求めよ。

\(\text{(1)}\) \(y = 17x + 12x^{2}\) \(\ \)
\(\text{(2)}\) \(y = \dfrac{x^{2} + a}{x + a}\) \(\ \)
\(\text{(3)}\) \(y = 1 + \dfrac{x}{1} + \dfrac{x^{2}}{1×2} + \dfrac{x^{3}}{1×2×3} + \dfrac{x^{4}}{1×2×3×4}\)

第六章の例 \((1)\) – \((7)\) および練習問題 III \((1)\) – \((7)\) の関数について、二次導関数と三次導関数を求めよ。