定数

Core.nothing ── 定数

nothing

Nothing 型のシングルトンインスタンスです。慣習により、(C の void 関数のように) 関数から返す値が存在しないとき、および変数やフィールドが値を持たないときに使われます。

Base.PROGRAM_FILE ── 定数

PROGRAM_FILE

コマンドライン引数として Julia に渡されたスクリプト名を表す文字列です。このスクリプト名はインクルードされたファイルの内部でも変わらないことに注意してください。これとは別に @__FILE__ もあります。

Base.ARGS ── 定数

ARGS

Julia に渡されたコマンドライン引数を表す文字列の配列です。

Base.C_NULL ── 定数

C_NULL

C のヌルポインタを表す定数です。外部コードを呼び出すときに使われます。

Base.VERSION ── 定数

VERSION

現在実行している Julia のバージョンを表す VersionNumber オブジェクトです。詳細はマニュアルのバージョン番号リテラルの節を参照してください。

Base.DEPOT_PATH ── 定数

DEPOT_PATH

Julia のパッケージマネージャとコード読み込み機構が使う「デポ (depot, 保管場所)」の位置を収めたスタックです。ここに含まれるパスは次の情報を検索するのに使われます:

  • パッケージレジストリ
  • インストールされたパッケージ
  • 名前付き環境
  • レポジトリのクローン
  • キャッシュされたコンパイル済みパッケージのイメージ
  • 設定ファイル

DEPOT_PATH はデフォルトで次の値を含みます:

  • ~/.julia (~ はシステムにおける適切なユーザーホーム)
  • アーキテクチャ特有の共有システムディレクトリ (/usr/local/share/julia など)
  • アーキテクチャ非依存の共有システムディレクトリ (/usr/share/julia など)

デフォルトの DEPOT_PATH の一例を示します:

[joinpath(homedir(), ".julia"), "/usr/local/share/julia", "/usr/share/julia"]

DEPOT_PATH の最初の要素は「ユーザーデポ」であり、現在のユーザーが保有する書き込み可能なディレクトリであるべきです。ユーザーデポは次の用途で利用されます:

  • レジストリのクローン
  • 新しいバージョンのパッケージのインストール
  • 名前付き環境の作成と更新
  • コンパイル済みパッケージのイメージファイルの保存
  • ログファイルの保存
  • 開発パッケージのチェックアウト
  • グローバルな設定データの保存

DEPOT_PATH の二番目以降の要素は読み込み専用として扱われ、システム管理者によってインストール・管理されるレジストリやパッケージを保存します。

環境変数 JULIA_DEPOT_PATH が存在すれば、DEPOT_PATH はその値に従って設定されます。

JULIA_DEPOT_PATH, コードの読み込み も参照してください。

Base.LOAD_PATH ── 定数

LOAD_PATH

using あるいは import でコードを読み込むときに、プロジェクト環境あるいはパッケージディレクトリ環境を構成するディレクトリのパスからなる配列です。環境変数 JULIA_LOAD_PATH が存在すれば、その値に従って設定されます。存在しなければ ["@", "@v#.#", "@stdlib"] というデフォルト値に設定されます。@ で始まる要素は特別な意味を持ちます:

  • @ は現在アクティブな環境のパスに展開されます。この値の初期値は環境変数 JULIA_PROJECT もしくはコマンドライン引数 --project を通して決定されます。

  • @stdlib は現在の Julia のインストール場所にある標準ライブラリの絶対パスに展開されます。

  • @name は名前付き環境のパスに展開されます。名前付き環境はデポ (参照: JULIA_DEPOT_PATH) の environments ディレクトリに保存されます。例えばユーザーごとに用意される名前付き環境の保存先ディレクトリは ~/.julia/environments なので、この環境が有効なとき (このディレクトリが存在して Project.toml を持つとき) @name~/.julia/environments/name を表します。また name# を含むなら、# は Julia バージョンのメジャー番号・マイナー番号・パッチ番号に一つずつ置換されます。例えば Julia 1.2 では @v#.#@v1.2 に展開され、この名前の環境 (典型的には ~/.julia/environments/v1.2 にある環境) が検索されます。

Base.load_path() 関数を呼ぶと、プロジェクトとパッケージを検索するときに使われる LOAD_PATH を完全に展開した形で確認できます。

JULIA_LOAD_PATH, JULIA_PROJECT, JULIA_DEPOT_PATH, コードの読み込み も参照してください。

Base.Sys.BINDIR ── 定数

Sys.BINDIR

julia の実行形式を含むディレクトリのパスを表す文字列です。

Base.Sys.CPU_THREADS ── 定数

Sys.CPU_THREADS

システムで利用可能な CPU の論理コア数、つまり CPU が並列に実行可能なスレッドの個数です。Sys.CPU_THREADS の値と CPU の物理コア数は常に等しいわけではないので注意してください。例えばハイパースレッディングがあると両者は異なります。

物理コア数のような詳細な情報を取得するには Hwloc.jlCpuId.jl を使ってください。

Base.Sys.WORD_SIZE ── 定数

Sys.WORD_SIZE

現在のマシンにおける標準のワードサイズです。単位はビットです。

Base.Sys.KERNEL ── 定数

Sys.KERNEL

オペレーティングシステムの名前を表すシンボルです。ビルド時に設定されます。

Base.Sys.ARCH ── 定数

Sys.ARCH

アーキテクチャを表すシンボルです。ビルド時に設定されます。

Base.Sys.MACHINE ── 定数

Sys.MACHINE

ビルド設定を表す三つ組 (build triple) を表す文字列です。

こちらも参照:

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