18.3 四ステップ法を使った条件付き確率の計算
地元の下位リーグに所属するホッケーチームが \(2\) 本先取のシリーズに参加する。このチームが最初の試合に勝つ確率は \(1/2\) である。それ以降の試合の勝率は前回の試合の結果に依存する: もし前回の試合で勝っているなら、チームは波に乗って勝率が \(2/3\) になる。一方、もし前回の試合で負けているなら、チームは意気消沈して勝率が \(1/3\) になる。このチームが最初の試合に勝ったという条件の下でチームがシリーズに勝利する確率を求めてみよう。
これは条件付き確率を求める問題である。\(A\) をチームがシリーズに勝利する事象、\(B\) をチームが最初の試合に勝つ事象とすれば、求めるべき値は条件付き確率 \(\operatorname{Pr}[A \, | \, B]\) と表せる。
通常の確率を求める問題と同じように、条件付き確率を求める問題にも前章で説明した四ステップ法は利用できる。この問題に対応する完全な樹形図を図 \(\text{18.1}\) に示す。
ステップ 1: 標本空間を見つける
樹形図の各頂点は \(2\) 個の子を持つ。一つ (\(W\) と書かれた辺を進む方) は試合に勝つことに対応し、もう一つ (\(L\) と書かれた辺を進む方) は試合に負けることに対応する。完全な標本空間は次の集合 \(\mathcal{S}\) である:
ステップ 2: 注目する事象を定義する
チームがシリーズに勝利する事象は次の集合 \(T\) に等しい:
そして、チームが最初の試合に勝つ事象は次の集合 \(F\) に等しい:
\(T\) と \(F\) の要素は図 \(\text{18.1}\) にチェックマークで示されている。
ステップ 3: 結果の確率を計算する
続いて、それぞれの結果に確率を割り当てる必要がある。そのためには辺に対して問題の設定を反映した確率を割り当てるのだった。今考えている問題では、最初の試合の勝率が \(1/2\) で、以降の試合の勝率は一つ前の試合で勝っているなら \(2/3\) で、負けているなら \(1/3\) となる。後は根から葉への路に含まれる確率の積を求めれば、その葉に対応する結果の確率が分かる。例えば、結果 \(WLL\) の確率は次のように計算できる:
ステップ 4: 事象の確率を求める
後は求めたい値を定義に沿って計算すればよい:
答えが求まった! チームが最初のゲームに勝ったときは、確率 \(7/9\) でシリーズに勝利できる。