1.7 場合分けを使った証明

複雑な証明をいくつかの場合 (case) に分けるアプローチは一般的で有用な証明技法である。鮮やかな例を一つ示す。

人間が \(2\) 人いるとき、その \(2\) 人は互いに相手を知っているか、互いに相手を知らないかのどちらかだとしよう。人間の集まりに含まれる任意の \(2\) 人が互いに相手を知っているとき、その集まりを知人グループ (club)と呼ぶことにする。また、任意の \(2\) 人が互いに相手を知らないような人間の集まりを他人グループ (group of strangers) と呼ぶことにする。

定理

任意の \(6\) 人の集まりには、\(3\) 人の知人グループまたは \(3\) 人の他人グループが含まれる。

証明 場合分けを使って証明する1。\(6\) 人の人間の集まりから \(1\) 人を任意に選んで \(x\) とする。次の二つ場合を分けて考える:

Case 1:

\(x\) 以外の \(5\) 人の中に、\(x\) を知っている人が \(3\) 人以上いる。

Case 2:

\(x\) 以外の \(5\) 人の中に、\(x\) を知らない人が \(3\) 人以上いる。

このとき、二つの場合のいずれかが常に成り立つことを確認しなければならない2ものの、これは難しくない: \(x\) 以外の \(5\) 人を「\(x\) を知っている」と「\(x\) を知らない」の二つのグループに分けたとすれば、いずれかのグループには必ず \(3\) 人以上が含まれる。

以上より、全ての場合で定理は成り立つ。


  1. 証明のアプローチを最初に説明しておくと、読者が証明を追いやすくなる。 ↩︎

  2. 場合分けによる証明では、全ての状況が考慮されていることを確認する必要がある。もし「\(P\) が成り立つ」と「\(P\) が成り立たない」の二つの場合を考えているなら、この確認は自明に完了する。しかし、この証明では場合分けがこれほど単純でない。 ↩︎

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