あなたがテレビ番組に出演して、\(3\) 個のドアの中から \(1\) 個を選ぶように言われたとします。\(1\) 個のドアの後ろには車、他のドアの後ろにはヤギがいます [選択したドアの後ろにあるものを獲得できる]。あなたは例えばドア \(1\) を選んだとします。その後、ドアの後ろに何があるか知っている司会者が例えばドア \(3\) を開きます。そこにはヤギがいて、司会者はあなたに「選択をドア \(2\) に変えますか?」と尋ねたとします。あなたは選択したドアを変えるべきでしょうか?
17.1 Let's Make a Deal
雑誌 Parade の 1990 年 9 月 9 日号で、コラムニスト Marilyn vos Savant は読者からの次の手紙に返答した:
この手紙が説明したのは、1970 年代に放映された Monty Hall と Carol Merrill が出演するテレビ番組 Let's Make a Deal のクイズコーナーで解答者が直面する状況である。Marilyn は次のように説明した: もし選択していない \(2\) 個のドアのいずれかの後ろに車があるなら、ドアの選択を変えるべきである。その確率は選択したドアの後ろに車がある確率の \(2\) 倍だから、ドアの選択を変えるのが理にかなっている、と。しかし、しばらくして番組には彼女が間違っていると指摘する大量の投書が押し寄せた ── 数学者からの投書も多くあった。この問題は後に Monty Hall 問題 (Monty Hall problem) と呼ばれるようになり、現在までに何千時間にも及ぶ白熱した議論が起こっている。
この事件は確率に関する事実を一つ明らかにしている: この分野では常識的な直感から完全に間違った結論が得られることがよくある。そのため確率を十分に学んで直感を矯正するまでは、後述する四ステップ法のようなシステマティックで厳密なアプローチを利用することが推奨される。どんなアプローチを使うにしても、最初は問題の設定を正確に理解する必要がある。これは確率を扱うときは常にすべきことである。
17.1.1 問題の明確化
Marilyn vos Savant が Craig から受け取った手紙にはいくつか曖昧な点があるので、ゲームを厳密にモデル化するには追加で仮定しなければならないことがいくつかある。例えば、これからは次の事項を仮定する:
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車が隠されるドアは \(3\) 個のドアの中から等しい確率で選ばれる。
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プレイヤーは \(3\) 個のドアの中から等しい確率で \(1\) 個を選ぶ。
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プレイヤーがドアを選んだ後、司会者は必ずプレイヤーが選ばなかったドアの中でヤギが隠されているものを \(1\) 個選んで開け、プレイヤーにドアの選択を変更するかを尋ねる。
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開けられるドアが \(2\) 個あるとき、司会者はその \(2\) 個のドアの中から等しい確率で開けるドアを選ぶ。
こういった仮定は Craig が書いた手紙には書かれていない。そのため、これと異なる仮定からは以降の議論と異なる結論が得られる。しかし、まずはこの仮定の下で「ドアの選択を変更するプレイヤーが車を得る確率は?」という質問を考えることにしよう。