§218 複素数の関数 (その 2)

複素数 \(z\) の多項式 (§39)・有理関数 (§46)・根号 (§47) は前に定義した。さらに §26§27 で数実変数 \(x\) に対して定義した陽および陰の代数関数を複素関数に対して拡張するのも難しくない。これらの全ての場合において、複素数 \(z\) つまり点 \(z\) の引数 (§44) を、関数 \(f(z)\) の引数 (argument) と呼ぶ。この章で私たちの注意を引く問題は、\(z\) の対数関数・指数関数・三角関数の定義と基本的な性質の導出である。これらの関数がこれまで定義されたのは実数の \(z\) に対してだけであり、さらに対数関数では正の値に対してだけだった。

まず対数関数から始める。複素数に対する対数関数は実変数に対する定義 \[ \log x = \int_{1}^{x} \frac{dt}{t}\quad (x \gt 0) \] の拡張としての定義するのが自然であり、このためには積分の概念を拡張したものを少し考える必要がある。