§60 極限の定義 (その 3)

\(n\) が \(\infty\) に向かうときに極限を持つ \(n\) の関数については以上となる。次は \(n^{2}\) や \(-n^{2}\) のように、正および負の無限大に向かう関数について同様の定義を考える。ここまでを理解した読者であれば次の定義を簡単に理解できるだろう:

関数 \(\phi(n)\) が \(n\) と共に \(+\infty\) (正の無限大) に向かうとは、任意の実数 \(\Delta\) について、どれだけ \(\Delta\) が大きくとも、「\(n \geq n_{0}(\Delta)\) ならば \(\phi(n) \gt \Delta\)」が成り立つように \(n_{0}(\Delta)\) を選べることを言う。言い換えれば、\(\Delta\) がどれだけ大きかったとしても十分大きな \(n\) に対して \(\phi(n) \gt \Delta\) となることを言う。

正確さを犠牲にした表現を使えば「十分大きい \(n\) を考えれば \(\phi(n)\) を好きなだけ大きくできる」となる。この表現では定義の重要な点、つまり \(\phi(n)\) が \(n \geq n_{0}(\Delta)\) を満たす全ての \(n\) で \(\Delta\) より大きくならなければならず、一部が大きくなるだけでは不十分である点が曖昧になってしまうが、意味が分かっているならこう書いても問題はない。

\(\phi(n)\) が \(+\infty\) に向かうとき \[ \phi(n) \to +\infty \] と書く。負の無限大に向かう関数の定義は読者に任せる。