§118 代数関数の微分

  1. 代数関数: 前節の結果と §113 の結果 6 を合わせれば、任意の陽な代数関数の導関数を得られる。

    そのような関数の中で一番重要なのは、有理数 \(m\) に対する \(x^{m}\) である。正または負の整数の \(m\) に対しては \(x^{m}\) の微分が \(mx^{m-1}\) となることは §117 で前に見た。\(m\) が有理数のときにもこれが正しいことを示そう。整数 \(p,\ q\) を使って \(y = x^{m} = x^{p/q}\) とする。さらに \(z = x^{1/q}\) とすると \(x = z^{q}\) および \(y = z^{p}\) が成り立つ。よって \[ \frac{dy}{dx} = \biggl(\frac{dy}{dz}\biggr) \bigg/ \biggl(\frac{dx}{dz}\biggr) = \frac{p}{q} z^{p-q} = mx^{m-1} \] となる。

    この結果は 例 36.3 を使っても示せる: \(\phi(x) = x^{m}\) とすれば \[ \begin{aligned} \phi'(x) & = \lim_{h \to 0} \frac{(x + h)^{m} - x^{m}}{h}\\ & = \lim_{\xi \to x} \frac{\xi^{m} - x^{m}}{\xi - x} = mx^{m-1} \end{aligned} \] であり、一般的な形の \[ \frac{d}{dx} (ax + b)^{m} = ma(ax + b)^{m-1} \] も任意の \(m\) に対して成り立つと分かる。

    陰な代数関数の微分は理論的に難しい部分があるので、第七章でまた考える。ただし微分の計算自体は難しくない。次の例を見れば理解できるだろう。\(y\) を \[ x^{3} + y^{3} - 3axy = 0 \] とする。両辺を \(x\) で微分すると \[ x^{2} + y^{2} \frac{dy}{dx} - a\left(y + x \frac{dy}{dx}\right) = 0 \] を得る。これを変形すれば \[ \frac{dy}{dx} = -\frac{x^{2} - ay}{y^{2} - ax} \] となる。

例 43
  1. 次の関数の導関数を求めよ: \[ \sqrt{\frac{1 + x}{1 - x}},\quad \sqrt{\frac{ax + b}{cx + d}},\quad \sqrt{\frac{ax^{2} + 2bx + c}{Ax^{2} + 2Bx + C}},\quad (ax + b)^{m} (cx + d)^{n} \]

  2. 次を示せ: \[ \frac{d}{dx}\left\{\frac{x}{\sqrt{a^{2} + x^{2}}}\right\} = \frac{a^{2}}{(a^{2} + x^{2})^{3/2}},\quad \frac{d}{dx}\left\{\frac{x}{\sqrt{a^{2} - x^{2}}}\right\} = \frac{a^{2}}{(a^{2} - x^{2})^{3/2}} \]

  3. 次の関係が成り立つときの \(y\) の微分係数を求めよ: \[ \begin{aligned} & \,\text{(i)}\quad ax^{2} + 2hxy + by^{2} + 2gx + 2fy + c = 0,\\ & \text{(ii)}\quad x^{5} + y^{5} - 5ax^{2}y^{2} = 0 \end{aligned} \]



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