§192 べき級数 (その 2)

べき級数 \(\sum a_{n}z^{n}\) が特定の \(z\) の値 \(z_{1} = r_{1}(\cos\theta_{1} + i\sin\theta_{1})\) で収束するなら、級数は \(|z| \lt r_{1}\) を満たす全ての \(z\) で絶対収束する。

証明は次の通り。\(\sum a_{n}z_{1}^{n}\) の収束より \(\lim a_{n}z_{1}^{n} = 0\) であり、全ての \(n\) で \(|a_{n}z_{1}^{n}| \lt K\) となる定数 \(K\) が存在する。 一方でもし \(|z| = r \lt r_{1}\) なら \[ |a_{n}z^{n}| = |a_{n}z_{1}^{n}| \left(\frac{r}{r_{1}}\right)^{n} \lt K \left(\frac{r}{r_{1}}\right)^{n} \] だから、示すべき命題は幾何級数 \(\sum (r/r_{1})^{n}\) との比較からすぐに示せる。

この命題を言い換えると「もし級数が \(P\) で収束するなら、その級数は \(\bm{P}\) より原点に近い任意の点で絶対収束する」となる。

\(z = z_{1}\) で級数が有限に振動するときにも同じ結果が得られることを示せ。 [部分和を \(s_{n} = a_{0} + a_{1}z_{1} + \cdots + a_{n}z_{1}^{n}\) とすれば、全ての \(n\) で \(|s_{n}| \lt K\) となる定数 \(K\) を見つけられる。一方 \(|a_{n}z_{1}^{n}| = |s_{n} - s_{n-1}| \leq |s_{n-1}| + |s_{n}| \lt 2K\) だから、議論は前と同じように進む]



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