§42 \(i\) による乗算の幾何学的解釈

等式 \[ (x + yi)i = -y + xi \] が成り立つから、\(x + yi\) が \(\overline{OP}\) に対応するとき \(\angle POQ\) が正の直角になるよう \(Q\) を取ると、\((x + yi)i\) が \(\overline{OQ}\) に対応する。言い換えると、複素数 \(\bm{i}\) による乗算は変位を直角に回転させる

この考えに基づいて複素数の理論を構築することもできる。\(x\) が \(OX\) 方向の変位を表し、\(i\) を \(x\) を直角に回転させる操作を表すとすれば、量が \(y\) の \(OY\) 方向の変位を \(yi\) と表記することになる。そうすれば \(x + yi\) は §37§40 と同様に自然に定義され、\((x + yi)i\) は \(x + yi\) を直角に回転させた変位を表す。さらに \((x + yi)x'\) は \(xx' + yx'i\)、\((x + yi)y'i\) は \(-yy' + xy'i\) となり、\((x + yi) (x' + y'i)\) はこれらの和として次のように定義されていただろう: \[ xx' - yy' + (xy' + yx')i \]