§133 置換積分と有理化

§130 の式 \(\text{(3)}\) から、\(\displaystyle \int \psi(x)\, dx = \phi(x)\) のとき次の等式が成り立つと分かる: \[ \int \psi\{f(t)\}\, f'(t)\, dt = \phi\{f(t)\} \qquad \text{(1)} \]

積分がすぐに計算できない \(\psi(x)\) の中には、この等式を使うと積分が行えるものが多くある。この手続きを一般的に言えば「新しい変数 \(t\) の関数 \(f(t)\) を使って \(x = f(t)\) として、\(\psi(x)\) を簡略化する。\(f'(t)\) を乗じた \(\psi\{f(t)\}\, f'(t)\) を積分できるかを確認し、もしできるならその結果を \(x\) の形に書き直す」となる。この手続きで生じる \(t\) の関数 \(\psi\{f(t)\}\, f'(t)\) の積分なら簡単に計算できる場合が多い。例えばこれが有理関数なら必ず積分を計算できるし、そうでなくても積分ができるように \(x\) と \(t\) の間の関係を選ぶことがたいていは可能である。例えば有理関数 \(R(x)\) に対する \(R(\sqrt{x})\) の積分は、\(x = t^{2}\) とすれば \(2tR(t^{2})\) の積分の問題となって \(t\) の有理関数の積分に帰着される。この積分方法は有理化による積分 (integration by ratinalisation) と呼ばれ、非常に広い応用を持つ。

先ほどまで考えていた代数関数の積分問題への応用はすぐに分かる:

\(x\) と \(y\) がどちらも \(t\) の有理関数となるように \(t\) を選べるなら、\(x = R_{1}(t)\) および \(y = R_{2}(t)\) とすれば \[ \int R(x, y)\, dx = \int R\{R_{1}(t), R_{2}(t)\}\, R_{1}'(t)\, dt \] が成り立つ。右辺は \(t\) の有理関数の積分であり、§130 の方法を使えば計算できる。

\(x\) と \(y\) に関連付いた補助変数 \(t\) であってこの条件を満たすものを見つけられるための条件の一般的な議論はこの本の範囲を超える。ここからは単純で興味深い特殊なケースをいくつか考えるだけとする。



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