§67 有理関数の極限
\(R\{\phi(n), \psi(n), \chi(n),\ \ldots\}\) が \(\phi(n),\ \psi(n),\ \chi(n),\ \ldots\) の有理関数である、つまり \(\phi(n),\ \psi(n),\ \chi(n),\ \ldots\) の多項式 \(P,\ Q\) を使って \[ \frac{P\{\phi(n), \psi(n), \chi(n),\ \ldots\}}{Q\{\phi(n), \psi(n), \chi(n),\ \ldots\}} \] と書けるとする。このとき \[ \lim\phi(n) = a, \quad \lim\psi(n) = b, \quad \lim\chi(n) = c,\ \ldots \] で \(Q(a, b, c,\ \ldots) \neq 0\) なら、次の等式が成り立つ: \[ \lim R\{\phi(n), \psi(n), \chi(n),\ \ldots\} = R(a, b, c,\ \ldots) \]
証明は次の通り。\(P\) は定数 \(A\) と正の整数 \(p,\ q,\ \ldots\) を使った次の形の項の和として表せる: \[ A\{\phi(n)\}^{p} \{\psi(n)\}^{q} \cdots \] §65 の定理 (を任意個の関数の積に拡張したもの) から、この項は極限 \(Aa^{p}b^{q}\cdots\) に向かうと分かる。よって §63 の定理の拡張から \(P\) は極限 \(P(a, b, c,\ \ldots)\) に向かう。したがって §66 の定理から示したい式が得られる。