§95 近傍における単調増加と単調減少

\(a - \delta \lt x' \lt x'' \lt a + \delta\) のとき \(\phi(x') \leq \phi(x'')\) となる実数 \(\delta\) が存在するなら、\(\phi(x)\) は \(x = a\) の近傍で単調増加であると言う。

\(\phi(x)\) が \(a\) の近傍で単調増加のとき、\(x \lt a\) として \(y = 1/(a - x)\) とおく。\(x \to a-0\) のとき \(y \to \infty\) であり、\(\phi(x) = \psi(y)\) は常に \(\phi(a)\) 以下の \(y\) の単調増加関数となる。§92 から、\(\phi(x)\) が \(\phi(a)\) 以下の極限に向かうことが言える。この値を \[ \lim_{x \to a+0} \phi(x) = \phi(a+0) \] と書く。\(\phi(a-0)\) も同様に定義する。このとき明らかに \[ \phi(a-0) \leq \phi(a) \leq \phi(a+0) \] が成り立つ。同様の議論は単調減少関数についても行える。

等号が成り立たず \(a - \delta \lt x' \lt x'' \lt a + \delta\) のとき常に \(\phi(x') \lt \phi(x'')\) なら、\(\phi(x)\) は \(a\) の近傍で狭義単調増加であると言う。

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