§205 指数関数の特徴 (その 1)
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\(x = e^{y}\) なら \(y = \log x\) であり、このとき \(dy/dx = 1/x\) が成り立つ。ここから \[ \frac{dx}{dy} = x = e^{y} \] を得る。つまり指数関数の導関数は指数関数に等しい。より一般には \(x = e^{ay}\) なら \(dx/dy = ae^{ay}\) となる。
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指数関数は次の関数方程式を満たす: \[ f(y + z) = f(y)f(z) \]
\(y\) と \(z\) が有理数なら、この等式は初等的な指数法則から従う。\(y\) と \(z\) の片方または両方が無理数なら、\(\lim y_{n} = y\) および \(\lim z_{n} = z\) を満たす二つの有理数列 \(y_{1},\ y_{2},\ \ldots,\ y_{n},\ \ldots\) と \(z_{1},\ z_{2},\ \ldots,\ z_{n},\ \ldots\) を考えると、指数関数は連続だから \[ e^{y} × e^{z} = \lim e^{y_{n}} × \lim e^{z_{n}} = \lim e^{y_{n}+z_{n}} = e^{y+z} \] を得る。特に \(e^{y} × e^{-y} = e^{0} = 1\) つまり \(e^{-y} = 1/e^{y}\) が成り立つ。
あるいは \(\log x\) が満たす関数方程式から \(e^{y}\) が満たす関数方程式を導くこともできる。\(y_{1} = \log x_{1},\ y_{2} = \log x_{2}\) なら \(x_{1} = e^{y_{1}},\ x_{2} = e^{y_{2}}\) であり、\(y_{1} + y_{2} = \log x_{1} + \log x_{2} = \log x_{1}x_{2}\) から次を得る: \[ e^{y_{1}+y_{2}} = e^{\log x_{1}x_{2}} = x_{1}x_{2} = e^{y_{1}} × e^{y_{2}} \]
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\(\dfrac{dx}{dy} = ax\) なら \(x = Ke^{ay}\) が成り立つ。\(K\) は定数を表す。
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\(f(y + z) = f(y)f(z)\) は指数関数と本質的に異なる解を持たない。 [\(f(y)\) が導関数を持つと仮定する。与えられた方程式を \(y\) および \(z\) で微分すると \[ f'(y + z) = f'(y)f(z),\quad f'(y + z) = f(y)f'(z) \] となり、ここから \(f'(y)/f(y) = f'(z)/f(z)\) が分かる。よって両辺は定数であり、\(x = f(y)\) とすれば定数 \(a\) を使って \(dx/dy = ax\) が成り立つ。したがって問題 1 から \(x = Ke^{ay}\) が分かる]
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\(y \to 0\) で \((e^{ay} - 1)/y \to a\) だと示せ。 [平均値の定理から \(0 \lt |\eta| \lt |y|\) を満たすとある \(\eta\) で \(e^{ay} - 1 = aye^{a\eta}\) となる]