§66 振る舞いが分かっている二つの関数の商の振る舞い

もちろん二つの関数の差についても同様の定理が存在し、ここまでの定理の系として簡単に示せる。商 \[ \frac{\phi(n)}{\psi(n)} \] に関する定理を示すには、次の定理をまず証明する。

\(\lim\phi(n) = a\) で \(a\) が \(0\) でないなら、次が成り立つ: \[ \lim\frac{1}{\phi(n)} = \frac{1}{a} \]

仮定から \[ \phi(n) = a + \phi_{1}(n) \] と置くと \(\lim\phi_{1}(n) = 0\) であり、そして \[ \left|\frac{1}{\phi(n)} - \frac{1}{a}\right| = \frac{|\phi_{1}(n)|}{|a| |a + \phi_{1}(n)|} \] が成り立つ。\(\lim\phi_{1}(n) = 0\) より、\(n \geq n_{0}\) のときこの値が \(\varepsilon\) 以下になるよう \(n_{0}\) を選べる。

これまでの二つの定理から、商に関する一般的な定理が得られる:

\(\lim\phi(n) = a\) かつ \(\lim\psi(n) = b\) で \(b\) が \(0\) でないなら、 \[ \lim\frac{\phi(n)}{\psi(n)} = \frac{a}{b} \] が成り立つ。

これまでの定理について見た「関連する定理」を、この定理についても定式化・証明・例示してみるとよい。



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