§75 \(n (\sqrt[n]{x} - 1)\) の極限

§74 の不等式 (3) の最初の式に \(r = 1/(n-1)\) と \(s = 1/n\) を代入すると、\(\alpha \gt 1\) なら \[ (n - 1)(\sqrt[n-1]{\alpha} - 1) \gt n(\sqrt[n]{\alpha} - 1) \] だと分かる。よって \(\phi(n) = n(\sqrt[n]{\alpha} - 1)\) なら \(\phi(n)\) は \(n\) に関して単調減少する。加えて \(\phi(n)\) は常に正なので、\(\phi(n)\) は \(n \to \infty\) のとき極限 \(l\) に向かい、\(l \geq 0\) である。

同様に §74 で示した (7) の最初の式で \(s = 1/n\) とすると \[ n(\sqrt[n]{\alpha} - 1) \gt \sqrt[n]{\alpha}\left(1 - \frac{1}{\alpha}\right) \gt 1 - \frac{1}{\alpha} \] を得る。よって \(l \geq 1 - (1/\alpha) \gt 0\) が分かる。つまり \(\alpha \gt 1\) なら \[ \lim_{n \to \infty} n(\sqrt[n]{\alpha} - 1) = f(\alpha) \] であり、\(f(\alpha) \gt 0\) が成り立つ。

次に \(\beta \lt 1\) として \(\beta = 1/\alpha\) と置けば、\(n(\sqrt[n]{\beta} - 1) = -n(\sqrt[n]{\alpha} - 1)/\sqrt[n]{\alpha}\) が成り立つ。\(n(\sqrt[n]{\alpha} - 1) \to f(\alpha)\) であり、例 27.10 から \[ \sqrt[n]{\alpha} \to 1 \] なので、\(\beta = 1/\alpha \lt 1\) なら \[ n(\sqrt[n]{\beta} - 1) \to -f(\alpha) \] が分かる。最後に \(x = 1\) なら全ての \(n\) に対して \(n(\sqrt[n]{x} - 1) = 0\) が成り立つ。

以上より、次の結果が得られる: 極限 \[ \lim n(\sqrt[n]{x} - 1) \] は全ての正の \(x\) に対して定義される \(x\) の関数を定義する。この関数 \(f(x)\) は \[ f(1/x) = -f(x),\quad f(1) = 0 \] を満たし、\(x \gt 1\) なら正、\(x \lt 1\) なら負である。\(x\) のネイピアの対数 (Napierian logarithm) を使ったこの関数の特徴付けを後で説明する。

\(f(xy) = f(x) + f(y)\) を示せ。 [等式 \[ f(xy) = \lim n(\sqrt[n]{xy} - 1) = \lim \{n(\sqrt[n]{x} - 1)\sqrt[n]{y} + n(\sqrt[n]{y} - 1)\} \] を使う]



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