§30 一変数方程式の図を使った解法
多くの方程式は次の形で表せる: \[ f(x) = \phi(x) \qquad \text{(1)} \] ここで \(f(x)\) と \(\phi(x)\) はグラフを簡単に描ける関数する。そして \[ y = f(x),\quad y = \phi(x) \] という二つの曲線が点 \(P\) で交わりその横座標が \(\xi\) なら、\(\xi\) は方程式 (1) の根となる。
-
二次方程式 \(\bm{ax^{2} + 2bx + c = 0}\): この方程式を視覚的に解く方法はいくつかある。例えばグラフ \[ y = ax + 2b,\quad y = -\frac{c}{x} \] に交点があれば、そこから根が分かる。あるいは次の曲線でも構わない: \[ y = x^{2},\quad y = -\frac{2bx + c}{a} \] しかし最も初等的な方法は、次の円を描く方法だろう: \[ a(x^{2} + y^{2}) + 2bx + c = 0 \] この円は中心 \((-b/a, 0)\) と半径 \(\{\sqrt{b^{2} - ac}\}/a\) を持つ。\(x\) 軸との交点の横座標が方程式の根となる。
-
前問のいずれかの方法を使って次の方程式を解け: \[ x^{2} + 2x - 3 = 0, \quad x^{2} - 7x + 4 = 0, \quad 3x^{2} + 2x - 2 = 0 \]
-
方程式 \(\bm{x^{m} + ax + b = 0}\): これは \(y = x^{m}\) と \(y = -ax - b\) を書けば解ける。\(x^{m} + ax + b = 0\) の根の個数に関する次の条件を確かめよ: \[ \begin{cases} m \text{ が偶数} \begin{cases} b \text{ が正: 二つまたは根なし} \\ b \text{ が負: 二つ} \\ \end{cases} \\ m \text{ が奇数} \begin{cases} a \text{ が正: 一つ} \\ a \text{ が負: 三つまたは一つ} \\ \end{cases} \\ \end{cases} \] 全ての場合について具体的な数値の例を示せ。
-
\(\tan x = ax + b\) が常に無限個の根を持つことを示せ。
-
次の方程式の根の個数を求めよ: \[ \sin x = x,\quad \sin x = \frac{1}{3} x, \quad \sin x = \frac{1}{8} x,\quad \sin x = \frac{1}{120} x \]
- \(a\) が小さい正の値 (例えば \(0.01\)) のとき、方程式 \[ x - a = \frac{1}{2}\pi\sin^{2} x \] が三つの根を持つことを示せ。\(a\) が小さい負の値のときも考え、\(a\) の変化に応じて根の個数がどのように変化するか説明せよ。