第四章のその他の例
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関数 \(\phi(n)\) が \(n = 0,\ 1,\ 2,\ \ldots\) で \(1,\ 0,\ 0,\ 0,\ 1,\ 0,\ 0,\ 0,\ 1,\ \ldots\) という値を取るとする。\(\phi(n)\) を三角関数が含まれない \(n\) の式で表せ。 [\(\phi(n) = \frac{1}{4}\{1 + (-1)^{n} + i^{n} + (-i)^{n}\}\)]
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\(n\) が \(\infty\) に向かうとき \(\phi(n)\) が単調増加で \(\psi(n)\) が単調減少だとする。全ての \(n\) で \(\psi(n) \gt \phi(n)\) が成り立つなら、\(\phi(n)\) と \(\psi(n)\) の両方が極限に向かい、さらに \(\lim\phi(n) \leq \lim\psi(n)\) だと示せ。 [§69 の結果から直ちに得られる]
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もし \[ \phi(n) = \left(1 + \frac{1}{n}\right)^{n},\quad \psi(n) = \left(1 - \frac{1}{n}\right)^{-n} \] なら \(\phi(n + 1) \gt \phi(n)\) かつ \(\psi(n + 1) \lt \psi(n)\) だと示せ。 [一つ目の式は §73 で示した]
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前問の設定で、全ての \(n\) に対して \(\psi(n) \gt \phi(n)\) だと示せ。そして \(n\) が \(\infty\) に向かうとき \(\phi(n)\) と \(\psi(n)\) が極限に向かうと (二つ前の問題を使って) 示せ1。
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和が \(n\) の正整数の組を全て考え、その積の代数平均を \(S_{n}\) とする。\(\lim(S_{n}/n^{2}) = 1/6\) を示せ。
(Math. Trip. 1903.)
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\(x\) と \(A\) が正で \(x_{1} = \frac{1}{2}\{x + (A/x)\},\ x_{2} = \frac{1}{2}\{x_{1} + (A/x_{1})\},\ \ldots\) という関係が成り立つなら \(\lim x_{n} = \sqrt{A}\) だと示せ。
[まず \(\dfrac{x_{n} - \sqrt{A}}{x_{n} + \sqrt{A}} = \biggl(\dfrac{x - \sqrt{A}}{x + \sqrt{A}}\biggr)^{2^{n}}\) を示す]
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全ての \(n\) に対して \(\phi(n)\) が正の整数で、\(n\) と共に \(\infty\) に向かうとする。このとき \(x^{\phi(n)}\) は \(0 \lt x \lt 1\) なら \(0\) に向かい、\(x \gt 1\) なら \(+\infty\) に向かう。他の \(x\) の値に対する \(n \to \infty\) における \(x^{\phi(n)}\) の振る舞いを議論せよ。
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\(n\) が増加するとき \(a_{n}\) が単調に増加または減少するなら、\((a_{1} + a_{2} + \cdots + a_{n})/n\) もそうだと示せ2。
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\(x_{n+1} = \sqrt{k + x_{n}}\) で \(k\) と \(x_{1}\) は正とする。このとき \(x^{2} = x + k\) の正の根を \(\alpha\) とすると、\(x_{1}\) が \(\alpha\) より小さいとき \(x_{1},\ x_{2},\ x_{3},\ \ldots\) は増加列となり、そうでないとき減少列となる。いずれの場合でも \(n \to \infty\) のとき \(x_{n} \to \alpha\) が成り立つ。
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\(x_{n+1} = k/(1 + x_{n})\) で \(k\) と \(x_{1}\) は正とする。このとき \(x_{1},\ x_{3},\ x_{5},\ \ldots\ \) と \(x_{2},\ x_{4},\ x_{6},\ \ldots\ \) は一方が増加列でもう一方が減少列となる。そして \(x^{2} = x + k\) の正の根を \(\alpha\) とすると、二つの列は両方とも極限 \(\alpha\) に向かう。
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関数 \(f(x)\) が単調増加かつ全ての \(x\) に対して連続 (第五章) で、列 \(x_{1},\ x_{2},\ x_{3},\ \ldots\ \) が \(x_{n+1} = f(x_{n})\) で定義されるとする。\(x_{n}\) が方程式 \(x = f(x)\) の根に向かうかどうかを、図を使って議論せよ。特にこの方程式が根を一つだけ持つケースについて、\(y = f(x)\) が上からおよび下から直線 \(y = x\) を横切るときにどうなるかを考えよ。
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\(x_{1},\ x_{2}\) が正で \(x_{n+1} = \frac{1}{2} (x_{n} + x_{n-1})\) とする。このとき二つの数列 \(x_{1},\ x_{3},\ x_{5},\ \ldots\) と \(x_{2},\ x_{4},\ x_{6},\ \ldots\) は一方が減少列でもう一方で増加列となり、共通の極限 \(\frac{1}{3}(x_{1} + 2x_{2})\) を持つ。
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次の等式で定義される関数 \(y\) のグラフを描け。 \[ y = \lim_{n \to \infty} \frac{x^{2n} \sin\frac{1}{2}\pi x + x^{2}}{x^{2n} + 1} \]
(Math. Trip. 1901)
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関数 \[ y = \lim_{n \to \infty} \frac{1}{1 + n\sin^{2} \pi x} \] は \(x\) が整数のとき \(1\) で、それ以外のとき \(0\) となる。関数 \[ y = \lim_{n \to \infty} \frac{\psi(x) + n\phi(x) \sin^{2}\pi x}{1 + n\sin^{2}\pi x} \] は \(x\) が整数のとき \(\psi(x)\) に等しく、それ以外のとき \(\phi(x)\) に等しい。
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関数 \[ y = \lim_{n \to \infty} \frac{x^{n}\phi(x) + x^{-n}\psi(x)}{x^{n} + x^{-n}} \] のグラフが \(\phi(x)\) と \(\psi(x)\) の一部分、および (一般には) 二つの孤立点からなると示せ。(a) \(x = 1\)、(b) \(x = -1\)、(c) \(x = 0\) のとき、\(y\) は定義されるか?
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\(x\) が有理数のとき \(0\)、\(x\) が無理数のとき \(1\) となる関数が次の式で表せることを示せ: \[ y = \lim_{m \to \infty} \text{sgn}\{\sin^{2}(m!\, \pi x)\} \] ここで 例 31.14 と同様 \[ \text{sgn } x = \lim_{n \to \infty} (2/\pi)\arctan(nx) \] とする。 [\(x\) が有理数なら、\(\sin^{2}(m!\, \pi x)\) および \(\text{sgn}\{\sin^{2}(m!\, \pi x)\}\) はある \(m\) から後ろで全て \(0\) となる。\(x\) が無理数なら \(\sin^{2}(m!\, \pi x)\) は常に正で、\(\text{sgn}\{\sin^{2}(m!\, \pi x)\}\) は常に \(1\) となる]
この \(y\) が次の形でも表せると示せ: \[ 1 - \lim_{m \to\infty} [\lim_{n \to\infty}\{\cos(m!\, \pi x)\}^{2n}] \]
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級数 \[ \sum_{1}^{\infty} \frac{1}{\nu(\nu + 1)},\quad \sum_{1}^{\infty} \frac{1}{\nu(\nu + 1)\cdots(\nu + k)} \] の和を求めよ。
[次が成り立つ: \[ \frac{1}{\nu(\nu + 1)\cdots(\nu + k)} = \frac{1}{k} \biggl\{\frac{1}{\nu(\nu + 1)\cdots(\nu + k - 1)} - \frac{1}{(\nu + 1)(\nu + 2)\cdots(\nu + k)}\biggr\} \] よって \[ \sum_{1}^{n} \frac{1}{\nu(\nu + 1)\cdots(\nu + k)} = \frac{1}{k}\left\{\frac{1}{1·2\cdots k} - \frac{1}{(n + 1)(n + 2)\cdots (n + k)}\right\} \] であり、したがって \[ \sum_{1}^{\infty} \frac{1}{\nu(\nu + 1)\cdots (\nu + k)} = \frac{1}{k(k!)} \] が成り立つ]
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\(|z| \lt |\alpha|\) なら \[ \frac{L}{z - \alpha} = -\frac{L}{\alpha}\left(1 + \frac{z}{\alpha} + \frac{z^{2}}{\alpha^{2}} + \cdots\right) \] であり、\(|z|\gt|\alpha|\) なら \[ \frac{L}{z - \alpha} = \frac{L}{z}\left(1 + \frac{\alpha}{z} + \frac{\alpha^{2}}{z^{2}} + \cdots\right) \] が成り立つ。
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\(z\) のべきを使った \(\dfrac{Az + B}{az^{2} + 2bz + c}\) の展開: \(az^{2} + 2bz + c = 0\) の根を \(\alpha,\ \beta\) とすれば \(az^{2} + 2bz + c = a(z - \alpha)(z - \beta)\) となる。\(A,\ B,\ a,\ b,\ c\) が全て実数で \(\alpha \neq \beta\) とすれば \[ \frac{Az + B}{az^{2} + 2bz + c} = \frac{1}{a(\alpha - \beta)} \left(\frac{A\alpha + B}{z - \alpha} - \frac{A\beta + B}{z - \beta}\right) \] が容易に分かる。このとき \(b^{2} \gt ac\) と \(b^{2} \lt ac\) に応じて二つの場合がある。
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\(b^{2} \gt ac\) なら \(\alpha\) と \(\beta\) は異なる実数である。\(|z|\) が \(|\alpha|\) と \(|\beta|\) より小さいなら \(1/(z - \alpha)\) と \(1/(z - \beta)\) は \(z\) の昇べきの級数に展開でき、\(|z|\) が \(|\alpha|\) と \(|\beta|\) より小さいなら降べきの級数に、\(|z|\) が \(|\alpha|\) と \(|\beta|\) の間にあるなら一つが降べきの級数、もう一つが小べきの級数に展開される。結果を自分で書いてみるとよい。\(|z|\) が \(|\alpha|\) または \(|\beta|\) に等しいならこういった展開はできない。
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\(b^{2} \lt ac\) なら根は共役な複素数である (§43)。よって \(\rho^{2} = \alpha\beta = c/a,\ \rho\cos\phi = \frac{1}{2}(\alpha + \beta) = - b/a\) とすれば \[ \alpha = \rho\operatorname{Cis}\phi, \quad \beta = \rho\operatorname{Cis}(-\phi) \] であり、\(\cos\phi = -\sqrt{b^{2}/ac},\ \sin\phi = \sqrt{1 - (b^{2}/ac)}\) が成り立つ。
\(|z| \lt \rho\) なら二つの関数は \(z\) の昇べきの級数で表せる。\(z^{n}\) の係数は \[ \frac{A\rho\sin n\phi + B\sin\{(n + 1)\phi\}}{a\rho^{n+1} \sin\phi} \] となる。\(|z| \gt \rho\) のときは同様の降べきの級数が得られる。\(|z| = \rho\) のときは展開できない。
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\(|z| \lt 1\) なら \[ 1 + 2z + 3z^{2} + \cdots + (n + 1)z^{n} + \cdots = \frac{1}{(1 - z)^{2}} \] だと示せ。
[第 \(n\) 項までの和は \(\dfrac{1 - z^{n}}{(1 - z)^{2}} - \dfrac{nz^{n}}{1 - z}\) となる]
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\(L/(z - \alpha)^{2}\) を \(z\) の級数に展開せよ。\(|z| \lt |\alpha|\) のときは昇べきの級数、\(|z| \gt |\alpha|\) のときは降べきの級数となる。
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\(b^{2} = ac\) かつ \(|az| \lt |b|\) なら \[ \frac{Az + B}{az^{2} + 2bz + c} = \sum_{0}^{\infty} p_{n}z^{n} \] が成り立つ。ここで \(p_{n} = \{(-a)^{n}/b^{n+2}\} \{(n + 1)aB - nbA\}\) である。\(|az| \gt |b|\) のときに対応する \(z\) の降べきの級数を求めよ。
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問題 19 の結果を \(\dfrac{1}{1 + z^{2}}\) に対して確かめよ。
[\(\dfrac{1}{1 + z^{2}} = \sum z^{n} \sin\{\frac{1}{2}(n + 1)\pi\} = 1 - z^{2} + z^{4} - \cdots\) となる]
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\(|z| \lt 1\) なら \[ \frac{1}{1 + z + z^{2}} = \frac{2}{\sqrt{3}} \sum_{0}^{\infty} z^{n} \sin\{\tfrac{2}{3}(n + 1)\pi\} \] だと示せ。
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\(\dfrac{1 + z}{1 + z^{2}},\ \dfrac{1 + z^{2}}{1 + z^{3}},\ \dfrac{1 + z + z^{2}}{1 + z^{4}}\) を昇べきの \(z\) の級数に展開せよ。その展開が成り立つのは \(z\) がどんな値のときか?
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\(\dfrac{a}{a + bz + cz^{2}} = 1 + p_{1}z + p_{2}z^{2} + \cdots\) なら \[ 1 + p_{1}^{2}z + p_{2}^{2}z^{2} + \cdots = \frac{a + cz}{a - cz}\cdot \frac{a^{2}}{a^{2} - (b^{2} - 2ac)z + c^{2}z^{2}} \] が成り立つ。
(Math. Trip. 1900.)
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\(\lim\limits_{n \to \infty} s_{n} = l\) なら \[ \lim_{n \to \infty} \frac{s_{1} + s_{2} + \cdots + s_{n}}{n} = l \] が成り立つ。
[\(s_{n} = l + t_{n}\) として、\(t_{n}\) が \(0\) に向かうとき \((t_{1} + t_{2} + \cdots + t_{n})/n\) も \(0\) に向かうと示す。
\(t_{1},\ t_{2},\ \ldots,\ t_{n}\) を \(t_{1},\ t_{2},\ \ldots,\ t_{p}\) と \(t_{p+1},\ t_{p+2},\ \ldots,\ t_{n}\) に分割する。ここで \(p\) は \(n\) の関数であり、\(n \to \infty\) のとき \(\infty\) に向かう。ただし \(p\) が無限大に向かう速度は \(n\) より遅い、つまり \(p \to \infty\) のとき \(p/n \to 0\) とする。例えば \(p\) は「\(\sqrt{n}\) の整数部分」という関数だとする。
\(\varepsilon\) を任意の正の実数とする。\(\varepsilon\) がどれだけ小さくとも、\(n \geq n_{0}\) で \(t_{p+1},\ t_{p+2},\ \ldots,\ t_{n}\) の絶対値が全て \(\frac{1}{2}\varepsilon\) より小さくなるように \(n_{0}\) を選べる。そして \[ \left| \frac{t_{p+1} + t_{p+2} + \cdots + t_{n}}{n} \right| \lt \frac{1}{2} \cdot \frac{\varepsilon(n - p)}{n} \lt \frac{1}{2} \varepsilon \] が成り立つ。\(t_{1},\ t_{2},\ \ldots, t_{p}\) の絶対値の最大値を \(A\) とすれば \[ \left| \frac{t_{1} + t_{2} + \cdots + t_{p}}{n} \right| \lt \frac{pA}{n} \] となる。\(n \to \infty\) のとき \(\frac{p}{n} \to 0\) だったから、\(n_{0}\) が十分大きければ全ての \(n \geq n_{0}\) でこれは \(\frac{1}{2}\varepsilon\) より小さくなる。よって \[ \left|\frac{t_{1} + t_{2} + \cdots + t_{n}}{n}\right| \leq \left|\frac{t_{1} + t_{2} + \cdots + t_{p}}{n}\right| + \left|\frac{t_{p+1} + \cdots + t_{n}}{n} \right| \lt \varepsilon \] が \(n \geq n_{0}\) で成り立つ。示したいことはこれで証明された。
極限を上手く扱えるようになりたいなら、上の議論を詳しく見ておくべきである。この例のように式を二つに分け、それぞれの極限が \(0\) なことを異なる方法で示し、それによって元の式が \(0\) に収束することを示さなければならないケースは非常に多い。この方法の証明は一筋縄ではいかない。
証明の要点は次の通りである: 添え字が大きいなら \(t_{n}\) は小さいという仮定の下で、\(n\) が大きいとき \((t_{1} + t_{2} + \cdots + t_{n})/n\) が小さいことを示せばよい。分子の級数を二つの部分に分ける。一つ目の部分に入る項は小さくないが、項の数が \(n\) と比べたとき少ない。二つ目の部分に入る項の数は少なくないが、項が小さいので和は \(n\) より小さい速度でしか増加しない。よって \((t_{1} + t_{2} + \cdots + t_{n})/n\) を分割した二つの級数の和は両方とも \(n\) が大きいとき \(n\) と比べて小さいと分かる]
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\(n \to \infty\) で \(\phi(n) - \phi(n - 1)\to l\) なら \(\phi(n)/n \to l\) となる。
[\(\phi(n) = s_{1} + s_{2} + \cdots + s_{n}\) とすれば \(\phi(n) - \phi(n - 1) = s_{n}\) となり、前問の結果に帰着される]
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\(s_{n} = \frac{1}{2}\{1 - (-1)^{n}\}\) なら \(s_{n}\) が \(n\) の偶奇によって \(1\) または \(0\) となるが、\(n \to \infty\) のとき \((s_{1} + s_{2} + \cdots + s_{n})/n \to \frac{1}{2}\) が成り立つ。
[ここから問題 27 の逆が偽だと分かる。この \(s_{n}\) は \(n \to \infty\) で振動する]
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次の級数の最初の \(n\) 項の和を \(c_{n},\ s_{n}\) とする: \[ \frac{1}{2} + \cos\theta + \cos 2\theta + \cdots,\quad \sin\theta + \sin 2\theta + \cdots\hphantom{\,} \] このとき \[ \lim \frac{c_{1} + c_{2} + \cdots + c_{n}}{n} = 0, \quad \lim \frac{s_{1} + s_{2} + \cdots + s_{n}}{n} = \frac{1}{2} \cot\frac{1}{2} \theta \] が成り立つ。