第四章のその他の例

  1. 関数 という値を取るとする。 を三角関数が含まれない の式で表せ。 []

  2. に向かうとき が単調増加で が単調減少だとする。全ての が成り立つなら、 の両方が極限に向かい、さらに だと示せ。 [§69 の結果から直ちに得られる]

  3. もし なら かつ だと示せ。 [一つ目の式は §73 で示した]

  4. 前問の設定で、全ての に対して だと示せ。そして に向かうとき が極限に向かうと (二つ前の問題を使って) 示せ1

  5. 和が の正整数の組を全て考え、その積の代数平均を とする。 を示せ。

    (Math. Trip. 1903.)

  6. が正で という関係が成り立つなら だと示せ。

    [まず を示す]

  7. 全ての に対して が正の整数で、 と共に に向かうとする。このとき なら に向かい、 なら に向かう。他の の値に対する における の振る舞いを議論せよ。

  8. が増加するとき が単調に増加または減少するなら、 もそうだと示せ2

  9. は正とする。このとき の正の根を とすると、 より小さいとき は増加列となり、そうでないとき減少列となる。いずれの場合でも のとき が成り立つ。

  10. は正とする。このとき は一方が増加列でもう一方が減少列となる。そして の正の根を とすると、二つの列は両方とも極限 に向かう。

  11. 関数 が単調増加かつ全ての に対して連続 (第五章) で、列 で定義されるとする。 が方程式 の根に向かうかどうかを、図を使って議論せよ。特にこの方程式が根を一つだけ持つケースについて、 が上からおよび下から直線 を横切るときにどうなるかを考えよ。

  12. が正で とする。このとき二つの数列 は一方が減少列でもう一方で増加列となり、共通の極限 を持つ。

  13. 次の等式で定義される関数 のグラフを描け。

    (Math. Trip. 1901)

  14. 関数 が整数のとき で、それ以外のとき となる。関数 が整数のとき に等しく、それ以外のとき に等しい。

  15. 関数 のグラフが の一部分、および (一般には) 二つの孤立点からなると示せ。(a) 、(b) 、(c) のとき、 は定義されるか?

  16. が有理数のとき が無理数のとき となる関数が次の式で表せることを示せ: ここで 例 31.14 と同様 とする。 [ が有理数なら、 および はある から後ろで全て となる。 が無理数なら は常に正で、 は常に となる]

    この が次の形でも表せると示せ:

  17. 級数 の和を求めよ。

    [次が成り立つ: よって であり、したがって が成り立つ]

  18. なら であり、 なら が成り立つ。

  19. のべきを使った の展開: の根を とすれば となる。 が全て実数で とすれば が容易に分かる。このとき に応じて二つの場合がある。

    1. なら は異なる実数である。 より小さいなら の昇べきの級数に展開でき、 より小さいなら降べきの級数に、 の間にあるなら一つが降べきの級数、もう一つが小べきの級数に展開される。結果を自分で書いてみるとよい。 または に等しいならこういった展開はできない。

    2. なら根は共役な複素数である (§43)。よって とすれば であり、 が成り立つ。

      なら二つの関数は の昇べきの級数で表せる。 の係数は となる。 のときは同様の降べきの級数が得られる。 のときは展開できない。

  20. なら だと示せ。

    [第 項までの和は となる]

  21. の級数に展開せよ。 のときは昇べきの級数、 のときは降べきの級数となる。

  22. かつ なら が成り立つ。ここで である。 のときに対応する の降べきの級数を求めよ。

  23. 問題 19 の結果を に対して確かめよ。

    [ となる]

  24. なら だと示せ。

  25. を昇べきの の級数に展開せよ。その展開が成り立つのは がどんな値のときか?

  26. なら が成り立つ。

    (Math. Trip. 1900.)

  27. なら が成り立つ。

    [ として、 に向かうとき に向かうと示す。

    に分割する。ここで の関数であり、 のとき に向かう。ただし が無限大に向かう速度は より遅い、つまり のとき とする。例えば は「 の整数部分」という関数だとする。

    を任意の正の実数とする。 がどれだけ小さくとも、 の絶対値が全て より小さくなるように を選べる。そして が成り立つ。 の絶対値の最大値を とすれば となる。 のとき だったから、 が十分大きければ全ての でこれは より小さくなる。よって で成り立つ。示したいことはこれで証明された。

    極限を上手く扱えるようになりたいなら、上の議論を詳しく見ておくべきである。この例のように式を二つに分け、それぞれの極限が なことを異なる方法で示し、それによって元の式が に収束することを示さなければならないケースは非常に多い。この方法の証明は一筋縄ではいかない。

    証明の要点は次の通りである: 添え字が大きいなら は小さいという仮定の下で、 が大きいとき が小さいことを示せばよい。分子の級数を二つの部分に分ける。一つ目の部分に入る項は小さくないが、項の数が と比べたとき少ない。二つ目の部分に入る項の数は少なくないが、項が小さいので和は より小さい速度でしか増加しない。よって を分割した二つの級数の和は両方とも が大きいとき と比べて小さいと分かる]

  28. なら となる。

    [ とすれば となり、前問の結果に帰着される]

  29. なら の偶奇によって または となるが、 のとき が成り立つ。

    [ここから問題 27 の逆が偽だと分かる。この で振動する]

  30. 次の級数の最初の 項の和を とする: このとき が成り立つ。


  1. および両方の関数が極限 に向かうことの証明はクリスタル著 Algebra, vol. ii, pp.78 にある。本書では第九章で違う方法を使って証明する[return]

  2. 問題 8–12 はブロムウィッチ著 Infinite Series から取った。[return]

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