§123 極大値と極小値 (その 2)
極大および極小の条件の異なる表現方法があり、こちらが便利になる場合もある。\(\phi(x)\) が二次導関数 \(\phi''(x)\) を持つとする。全ての \(\phi(x)\) に対して \(\phi'(x)\) が存在するわけではないのと同様に、\(\phi'(x)\) が存在するとき \(\phi''(x)\) が必ず存在するわけではない。しかし現在の私たちが扱うことになる関数ではこの条件が満たされることが多い。さてこのとき次が成り立つ:
\(\phi'(\xi) = 0\) かつ \(\phi''(\xi) \neq 0\) なら、\(\phi(x)\) は \(x = \xi\) で極大または極小となる。具体的には \(\phi''(\xi) \lt 0\) なら極大で、\(\phi''(\xi) \gt 0\) なら極小となる。
\(\phi''(\xi) \lt 0\) とする。定理 A から、\(\xi\) より小さく \(\xi\) に十分近い全ての \(x\) で \(\phi'(x)\) が負なこと、そして \(\xi\) より大きく \(\xi\) に十分近い全ての \(x\) で \(\phi'(x)\) が正なことが分かる。つまり \(\phi(x)\) は \(x = \xi\) で極大である。