§134 円錐曲線で関連付いた変数の積分
\(x\) と \(y\) が次の形をした方程式で関連付いているとする: \[ ax^{2} + 2hxy + by^{2} + 2gx + 2fy + c = 0 \] 言い換えると、\(x\) の関数としての \(y\) のグラフが円錐曲線だとする。\((\xi, \eta)\) をその円錐曲線上の任意の点として、\(x - \xi = X,\ y - \eta = Y\) とおく。\(x\) と \(y\) の間の関係を \(X\) と \(Y\) を使って表すと次の形になる: \[ aX^{2} + 2hXY + bY^{2} + 2GX + 2FY = 0 \] ここで \(F = h\xi + b\eta + f\) および \(G = a\xi + h\eta + g\) である。\(Y = tX\) とすると、\(X\) と \(Y\) の両方を \(t\) の有理関数として表せる。よって \(x\) と \(y\) も同様に \(t\) の有理関数として表すことができ、実際に計算すると \[ x - \xi = -\frac{2 (G + Ft)}{a + 2ht + bt^{2}},\quad y - \eta = -\frac{2t(G + Ft)}{a + 2ht + bt^{2}} \] となる。この関係を使えば前節で説明した有理化の手続きを実行できる。
等式 \[ hx + by + f = -\dfrac{1}{2}(a + 2ht + bt^{2}) \frac{dx}{dt} \] が成り立ち、ここから \[ \int \frac{dx}{hx + by + f}= -2\int \frac{dt}{a + 2ht + bt^{2}} \] となることを確認せよ。積分ではこの事実を利用する。
\(h^{2} \gt ab\) なら次のように議論すると少し楽ができる。このとき円錐曲線は双曲線であり、その漸近線は \[ ax^{2} + 2hxy + by^{2} = 0 \] が表す二つの直線とそれぞれ平行である。そこで \[ b(y - \mu x) (y - \mu' x) = 0 \] とする。さらに \(y - \mu x = t\) とおけば、元の双曲線上の \((x, y)\) について \[ y - \mu x = t,\quad y - \mu' x = -\frac{2gx + 2fy + c}{bt} \] を得る。\(x\) と \(y\) を \(t\) の有理関数として表せるのは明らかである。次節では重要な例への応用を使ってこの処理を説明する。